資本論第1部 第4篇 第13章 第10節 大工業と農業の解説
第10節 大工業と農業
資本論第1部 資本の生産過程
第4篇 相対的剰余価値の生産
第13章 機械と大工業
第10節 大工業と農業
第10節の大工業と農業を解説する。
農業への
機械の導入は農業労働者の「過剰化」を促した。
つまり農業分野で失業者が増えたということ。
また、農業の機械化は農民を農業労働から駆逐して、
賃金労働者への変えていった。都市に出て工場などで賃金労働者に従事する人が増えた。
農村では労働者が分散しているために、組合や連合を組織するための抵抗力が弱い。
しかし他方で、都市では労働者が集中しているので、その抵抗力は強い。
最後にマルクスは以下のようにまとめる。
資本主義的生産様式は、
自然環境(土地の代謝)と労働者の破壊することによってのみ
社会的生還過程の技術と結合とを発展させる。
つまり簡単に言うと、
⑴労働者と⑵土地(自然)の破壊によってのみ、
この両面のからの破壊によってのみ
資本主義的生産の進展が進む。
一方で、労働者自身が破壊される。
つまり機械という労働手段は、階級対立を固定化させ
生産手段を持たない労働者の抑圧、搾取、貧困化につながる。
協業による効率的生産を狙った
労働過程の結合は、
労働者者から、個人的な活気や自由を奪う。
機械化により労働者が生産プロセスの一部になることは、
活気を奪い、従属度が増すゆえに、自由と独立が損なわれる。
他方で、土地(自然)の代謝の錯乱が進む。
人間が食料や衣料の形で消費する土壌成分が土地に帰ることが錯乱される。
これにより、
都市労働者の健康が破壊され、農業労働者の精神生活も破壊されることになる。
資本主義的生産では、労働者の破壊と土地(自然)の破壊が進展するのである。
【資本論の全体像】
第1部 資本の生産過程
第2部 資本の流通過程
第3部 資本主義的生産の総過程 1、2巻の理論がどう現実の中で顕在化するか研究。