資本論第1部第 13章機械と大工業 第6節機械によって駆逐される労働者に関する補償節の要約

資本論第一部資本の生産過程

第4篇相対的剰余価値の生産

第13章機械と大工業


第6節 機械によって駆逐される労働者に関する補償説

要約を書きました。

 

⑴ 機械は失業者を生み出すのは事実

 

ブルジョワ経済学のミルやマカロックの主張。

 

機械の普及による失業は一時的なものにすぎない。

 

対して、マルクスの反論。

 

可変資本に対して不変資本が増えるので、必ずしも資本が失業者を吸収しない。

 

機械の充用によってひき起こされる労働の減少 > 機械や石炭などのための労働の増加(>が数学の不等号)。

 

もし機械を導入することで今までよりも多くの価値量(=労働時間)が必要になるなら、そんなにコストのかかる機械をわざわざ導入することはないでしょ。

 

より低コストで効率の良い生産(つまりより少ない労働日で)が可能になるから機械を導入するのだ。


また、雇用の拡大が起きるにしても、直接または間接に、機械の採用によって生産規模が拡大されるからにすぎない。

 

 

⑵ 分業化がいっそう進む。

 

機械経営により部品や原料などの多様化する。結果、分業化がいっそう進む。

 

例えば、ある機械の部品がA, B, C, E, F, Gだと仮定しよう。その中で、部品Gにのみ特化した仕事が生まれる、ということ。

 


⑶奢侈品の増加

機械の導入により剰余価値率が上昇。

 

故に、資本家が富むので、奢侈品への需要が増大する。

 

 

⑷ 問題なのは機械そのものではなく、機械の資本主義的な使われ方。

 

生活手段からの労働者の遊離は機械のそのもの責任ではなく、その資本主義的充用から生ずる。

 

 

これが何を意味しているのか、マルクスは詳しい解説を書いていない。端的に言うと、こういうことだ。

 

 

敵対的な所有と非所有の階級関係も基づき、生産手段を持たない労働者の労働時間(=価値の源泉)を搾取する(労働者に支払っている賃金以上の働きを密かに強要している)ことで価値が増幅する資本主義生産様式では、労働者は雇われれば長時間働かされるし、非効率と見られれば失業者となる。

 

故に、機械は労働者の幸福の増大のために使われない。

 

 

⑸ 遠い将来に始めて身を結ぶような労働部門での労働の拡張

具体的に言えば、トンネルや橋などの建設で労働の拡張が起きる。

 

 

⑹不生産的な家内奴隷の増加

資本家階級の収入の増加により、不生産的な家内奴隷がより多く雇用されるようになる。

 

マルクス曰く、
不生産的な近代的家内奴隷の増加こそ、機械の資本主義的利用の代表的成果である。

 

現代社会へひきつけて考える

 

機械の導入により失業が出るのは必然だ。だって、その方が同じものをより安く生産できるなら、人件費をカットするのは合理的な決断だから。人情もくそもないフェーズにいずれなる。でなければ、儲からない会社で、いずれは、倒産する。

 

失業者を吸収するには、生産の規模を拡大するしかない。

 

これをグローバル化と言う。

 

そして、資本主義はすでに、地球をほぼほぼ覆い尽くしたように見える。

 

機械化、つまり自動運転、人口知能もろもろの機械化により失業者が増えるのは必至だと思うが、

 

そんな失業者を吸収する雇用主を見つけることがどんどん困難になっていく。。。。

 

これに対応するには、

継続的な自己教育により、自分自身を磨き続け、機械ができない分野で専門性を随時、開発していくしかないように思う。

 

自分の専門性をどんどん変えていける柔軟性と継続的な学習能力が求められる。

 

 

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