資本論第1巻 第4篇13章 第5節機械と労働者の闘争の要約と所感

マルクス資本論第1巻第4篇13章第5節の要約と所感です。

 

第1巻のタイトルは資本の生産過程。

 

第4篇は、相対的剰余価値の生産。

 

13章は、機械と大工業。

 

第5節は、労働者と機械の闘争。

 

この節は書かれていないけど(前の章などには書かれている)、話の大前提としての

 

労働力の商品化が第0ステップ。これが資本制的生産様式の大前提。

 

労働力が商品となることで、資本家は大量の労働者を一つのプロジェクトに従事させることができる。

 

これにより一つのプロジェクトを分業によって遂行することができるようになる。

 

これが話しの大前提、第ゼロステップ。

 

次にこの節に書かれている第一ステップ。

 


第一のステップとして、まずは、分業化が進む。

 

例えば、針を作る仕事を考える。

 

それまで全ての作業工程を一人で行っていたのが、

針の穴を作る専門の人、磨きあげる専門の人、原料となる鋼を引き延ばす専門の人、、、

など分業化により労働の一面化がおこり、人間が一つの労働をすることに特化していく。


次に、動力源を持つ機械の登場。
それまで人間の役割であった道具を使うことが機械の役目になる。
労働のある一局面が機械によって代替される。



すると、労働の市場価値の低下が起こる。帰結は以下の2通り。

 

一方、労働市場での競争力が減り、失業する。

他方、容易に侵入しやすい産業部門に溢れるほど労働者が押し寄せ、賃金が低下。

 

また、労働の簡素化が起こり、それはまでは熟練を必要した技術が機械によって置き換えられるので、非熟練有働者が雇われるようになる。

 

要約すると以下の3ステップ。

 

(0) 労働力の商品化
⑴分業化、労働の一面化、
⑵部分に分かれた労働の機械化、
⑶労働者の失業or容易にできる仕事に労働者が溢れる


生産プロセス全体でみると機械の導入により、生産力は向上する。それが同時に、労働者を駆逐して失業させる。

 

これがラダイド運動など機械打ちこわし運動が起きた歴史的背景である。

 

歴史は繰り返すと考えると、今後、人口知能やIoTの進化により失業者の増加は、不可避と思われる。

 

現代のラダイド運動は、Google本社への労働者のテロ攻撃だろうか。